中学受験で成功する「黄金法則」とは

1.出題の概要

  1. 配  点  100点 (4教科、報告書 各々100点)
  2. 試験時間  40分
  3. 問 題 数  大問 7問
  4. 問題形式  選択式問題が殆ど。記述式の問題はない

2.問題の内容と構成

(1)過去5年間の出題内容

※ 緑・・・差がつきやすい問題  青・・・最も差がつく問題

※ 合格者平均点・・・4教科+報告書=合計点の平均しか発表されておらず、その4教科平均を表示

(2)過去5年間の問題構成

大きく分けて、

  1. 「生物の知識問題」・・・・・・・前項、表の緑色の問題
  2. 「中学受験の一般的な問題」・・・前項、表の白色の問題
  3. 「てこの問題」・・・・・・・・・前項、表の青色の問題

という構成になります。

生物の知識問題

実際に出題された問題をあげてみましょう。

H24 「アキアカネの特徴、足や羽がついている部分」
H23 「アゲハの春型、夏型の大きさの違いの理由」
H22 「花の受粉を助けるのはマルハナバチかアシナガバチか」
「恐竜の化石はどんな地層から発見されることが多いか」
H21 「スーパーで売られている野菜の食用部分が同じもの同士の組み合わせ」
飼育、エアーポンプとろ過器がない場合、魚はいつ、どうなるか」
H20 「ヘチマの巻きひげの特徴、ヘチマと同じように支柱などにまきついて成長する植物」
H19 「アサガオの特徴~種の個数・大きさ、花のさく順番、屈光性、水を上げる頻度、まき方の向き、
毛の生え方、何日後に花がしぼみ始めたか、など」

上記のように、生物の分野において深く広い知識を問う問題が多く、いずれも塾のテキストや問題集の範囲を越えています。この問題で差がつきやすいと考えられます。筑駒用に別途対策が必要になります。

中学受験の一般的な問題

生物(物・植物・人体)、水溶液、総合(気象、天体、大地の変化など)がおもな分野で、一般的なカリキュラムをきちんと正確に覚えていれば問題なく解けます。台風の被害など写真が載せられていますので、言葉だけではなく、写真もふくめた学習が必要ですが、満点を取らなければならない問題ばかりです。

グラフの読み取り、実験結果による読み取りなどの問題も含まれていますが、難易度はそれほど高くなく、基本をしっかり身につけていれば問題ありません。

ただし、気象の分野は「雲」が頻出で、10種類の雲の特徴をまとめておく必要があります。また、最近では、恐竜の化石についても出題が顕著です。詳しい知識は必要ありませんが、全般的な基本はおさえておくべきでしょう。

てこの問題

一部難易度が高く、一番差がつく問題です。

2012年度の「てこの問題」は「難易度が最近の中では低い」というのが一般的な評判ですが、これは、あまりにも単純かつ早計な見解です。

この問題は棒の重さを忘れて、考えに入れなかった生徒が速く正解を出すことができる問題で、きちんと棒の重さと重心を考えた生徒は、迷ったに違いがありません。

問題には「棒の重さはかんがえない」という記述はなく、我々でしたら、「棒の重さや重心を考えに入れなくても正解が出せる」という判断ができますが、小学生では無理でしょう。

棒の重さや重心をうっかり忘れてしまった生徒が解け、きちんと考えた生徒が解けないという点において良問とはいいがたい問題です。

この2012年度の「てこの問題」も含めて「1g刻みで計るために必要な分銅の重さと数をだす問題」、「重心を考えて解く問題」「支点が2点の間にある問題」「おもりを交互においてゆく(吊り下げてゆく)ゲームの問題」などに分類することができ、難易度は高く、算数の「数の性質」を使って解く問題もあり、しかも、この短い時間で全て解くのは非常に困難です。

しかし、全体的に7割5分の得点が目標ですので、「中学受験一般的な問題」がきちんと解けていれば7割5分は得点できます。ミスなどがある場合も考えて、「てこの問題は」1つでも多く正解を出すことに力を注ぎましょう。

他には「電流(豆電球のつなぎ方)」も頻出です。難易度はそれほど高くはありませんが、これもかけられる時間が短いため早く解く訓練が必要になります。

3.出題傾向のまとめ

(1)全教科満遍なく点数をとる必要がある。

配点教科とも100点満点であり、理科・社会の比重は算数・国語と同等であり、他の学校より高く、苦手科目をつくらず、全教科をカバーする高い学力が必要です。

(2)問題形式は殆どが選択問題。

記述問題はありません。ただし、選択問題は「正しいものをすべて選ぶ」「あやまっているものを選ぶ」など、選択肢の内容も正確な知識をもっていないと正解を選択できないようになっています。

(3)問題構成

「生物の知識問題」+「中学受験の一般的な問題」+「てこの問題」となっており、塾のカリキュラムにそった学習に加えて、広く深い生物分野の知識と難易度の高い「てこの問題」を解く学力が必要です。

(4)最低合格点は報告書を含めて350点前後、1教科7割5分は必要。

例年、合格最低点は、報告書(音楽、体育、図工などの4教科以外の科目 配点100点)も含めて350点前後(500点満点)ですので、1教科平均は70点前後ということになります。安全圏としては少なくとも7割5分は必要です。

問題構成の中で「中学受験の一般的な問題」が7割以上を占めるので、まずはこの問題をしっかり得点できるように学習しましょう。

(5)40分でテンポよく解く必要がある。

40分で大問7問を解かなければなりません。「生物の知識問題」+「中学受験の一般的な問題」をできるだけ速く解き、「てこの問題」に時間をかけて、すこしでも高い得点を目指しましょう。

具体的な対策は「■筑波大駒場(理科) 合格戦略」をお読み下さい。