中学受験で成功する「黄金法則」とは

[1]5年生

入試で重要な分野が5年生のカリキュラムに配置されています。処理速度を上げるのに欠かせない比の学習を終えたあとは、算数の得意な生徒と不得意な生徒との差が急激に開いていきます。女子学院を目指すのであれば、比の習熟度を高め、様々な局面で比を使いこなせるようにしておきましょう。

(1)『計算と一行問題集』

計算を絶対に軽視しないこと。“速くて正確”な計算を追求しましょう。週テスト後の土曜夜から1日1ページずつ。所要時間は10~12分が目安です。×問題はその場で解き直しをして、理解に努めましょう。金曜日、もしくは土曜日の週テスト前に、6ページ分の×問題を再度解くと定着しやすくなります。

(2)『予習シリーズ』

例題をもとに根本原理を正しく理解し、その週の問題はすべて解けるようにしておきましょう。その週の学習は、その週のうちに完了させることが大切です。

また、わからなくなったら例題に戻って確認する習慣をつけることで、家庭学習の質を高めることが可能です。

(3)『演習問題集』・『演習問題集(応用編)』

演習量を確保したいときは『演習問題集』を利用しましょう。『予習シリーズ』の反復に時間を割きたいときは、無理に『演習問題集』に時間を割く必要はありません。

『演習問題集(応用編)』はAまで取り組むように心掛けて下さい。

(4)週テスト

その週の学習の仕上がり具合を確認する場です。解説授業を受けたとしても、×問題は再度家庭で解き直す習慣を。

(5)既習単元の復習

日曜日に、数ヶ月前に学習した『予習シリーズ』の例題を復習しましょう。該当する回が総合回のときは、練習問題を素材とします。5年生の日曜日を既習単元の復習時間として有効に活用することで、強固な基礎力を養っていきましょう。

(6)先取り学習

四谷大塚の講習期間中は、それまでの学習内容の総復習が行われます。そこで、算数を武器としたい女子学院志望者は、講習期間中に先取り学習を進めて貯金をつくっておきましょう。前倒しで進めておくことで、常に優位性を保ちながら算数の学習に取り組むことができます。

[2]6年生前半

『予習シリーズ』の6年上が終わる7月初旬までは、5年生と同様の学習スタイルです。もし先取りをするのであれば、『四科のまとめ』をGW期間中に1回転目、夏休みに入るまでに2回転目を終わらせておき、典型題の解法に穴がない状態にしておきましょう。

女子学院の頻出分野のうち、角度の問題と円周率計算が絡む複合図形の問題が手薄になります。9月以降の学校別特訓で演習量は確保できるので、無理をする必要はありません。ただ、算数を武器にしたい女子学院志望者なら、この時期から良質の市販問題集や他校の過去問を利用して、該当の図形問題に取り組むことで、四谷大塚生のカリキュラム上の問題点を解消することができます。

4月と7月に合不合判定予備テストが実施されます。志望校の合格可能性が数値として現れますが、この時期の数値を志望校の判断基準として使うことはできません。重要なのは、その時点で解ける問題と解けない問題をはっきり識別すること、解き直しをして次に出題されたときは解けるような状態にしておくことです。

[3]6年生夏休み

(1)夏期講習テキスト

夏休み中は、講習テキストによりこれまでの総復習を行います。Cコース用テキストであれば完全消化が原則です。Sコース用テキストであれば深追いは不要です。消化不良を起こしかねない大問は、生徒の状況に応じて削りましょう。無理に手をつけなくても構いません。

(2)『四科のまとめ』

1ページ10分以内を制限時間として、スピード練習及び典型題の解法チェックの場と位置付けて下さい。他の学習時間が圧迫されないように、短時間で済ませたいところです。朝晩1ページずつで25日間、×問題だけ2回転目で取り組むようにすれば、夏休み中に完了します。

夏休みに入るまでに基礎固めが不十分な生徒は、黒番号問題につまずくでしょう。その場合は白番号問題のみスピード練習の素材とし、黒番号問題は解き方・考え方を正しく理解し定着させて下さい。

なお、先取りで6年生前半に『四科のまとめ』を終了させてしまった生徒は、夏休み中に再度取り組む必要はありません。

(3)夏休み中に授業で配布されるプリント類

全てに手をつける必要はありません。授業中に演習を行って間違えた問題のみ、もしくは直しを指定された問題のみ、家庭で解き直しができれば十分です。

(4)『プラスワン問題集』(東京出版)

算数に自信のある生徒は、『プラスワン問題集』に取り組みましょう。立体切断の大部分は除き、夏休み中に1回転が目標です。講習期間中は授業の復習に時間を割く必要があるため、お盆休みの期間中で一気に進めたいところです。スピード練習ではなく、“典型問題+α”の解法定着に向けての問題演習です。スピードを追求するのではなく、時間がかかっても正しく理解することが肝心です。正解した問題も必ず解説を熟読し、自分の解き方と照らし合わせたうえで複数の解法を習得しておくと、女子学院の過去問を解くときに威力を発揮します。

[4]6年生後半

6年生9月以降の学習は、(1)日曜日の女子学院特訓、(2)過去問演習、(3)学校別模試、(4)『プラスワン問題集』(東京出版)、(5)通常授業の復習、という優先順位になります。

(1)日曜日の女子学院特訓

学校別特訓を学習の主軸に据えます。

毎回のテキストには女子学院に向けて精選された問題が収録されています。単に答えを出すだけでなく、複数の解法を模索したうえで、一つ一つ確実に自分のモノにしていきましょう。

(2)過去問演習

過去演習は、日曜日の女子学院特訓内で行うことになります。

時間配分は適切だったか、解法に抜けがなかったか等をチェックして反省点を洗い出し、次回の過去問演習につなげて下さい。

(3)学校別模試

四谷大塚生として学校別テストを受験するのは当然ですが、2回実施されるSAPIXの桜蔭オープンの受験をおすすめします。

(4)『プラスワン問題集』(東京出版)

『プラスワン問題集』を夏休み中に1回転した生徒は、9月~10月末で2回転目に取り組みます。2回転目は制限時間を設定し、解法の運用力に磨きをかけましょう。

夏休み中に取り組めなかった場合には、9月からスタートさせ、冬休みに入るまでに2回転目まで終了させましょう。

(5)通常授業

 通常授業については、授業内で取り組んだ問題に限定し、×問題の解き直し・理解だけで十分です。教材・プリントがたくさんあっても、やり残しは一切気にしないことです。

ただし、『計算と一行問題集』の6年下は、日付通りに標準編のみ取り組みましょう。

※週テスト
9月以降、週テストが時間を圧迫し、まとまった家庭学習時間が確保できなくなります。生徒の状況にもよりますが、週テストを削るというのも1つの選択肢です。
※正月特訓
1月受験が始まる前に、女子学院志望者としての仕上がり具合を測る絶好の機会となるのが正月特訓です。本番と同じ形式でのテスト演習を重ねるので、時間配分の最終チェックを行いましょう。