出題傾向
著者: doctor | 最終更新日: 2013-01-31 02:51:03
慶応中等部の入試を「頻出単元」および「設問・解答形式」の2点から傾向分析していきます。まず「頻出単元」ですが、平面図形・割合と比を中心に、数の性質も良く出ます。中等部を目指すほどの生徒さんなら、きっと基礎力は付いているはずですから、出題範囲としては、それほど特記することではないでしょう。
また、これは「設問・解答形式」との兼ね合いもありますが、2年連続での出題、あるいは1・2年おきの出題が、他校に比べてよく見られます。
具体的には、N進法(平成18年・平成20年)、フィボナッチ数列(平成21年、平成22年)、直角三角形の相似(平成21年、平成22年)、回転体(平成18年、平成21年)、仕事算(平成20年、平成22年)、相当算(平成18年、平成21年、平成22年)などです。これは、慶応中等部の試験形式は問題数が多く、隔年で出題をずらす必要性があまりないことや、一問あたりの時間配分とも関係が深いと思います。
その試験形式についてですが、試験時間45分に対して設問は20問と、バリバリの「高速勝負系算数」です。スピードと精度、それらを両立させ、1問あたり2分~2分半で、仕上げていかなければなりません。
ただ、もっと言えばある程度のクオリティの生徒さんなら、慶應中等部の【1】程度なら小問一つ当たり1分かからずに仕上げていって、後半に時間の余裕を持ってくることもできるはずです。
いずれにせよ、一問あたりにかけられる時間が少ない中で、何が合否の分水嶺になるかといえば、「知っていれば解けた問題」「短時間で処理する方法がある問題」です。このあたりにかかる時間を抑えられれば、後半の「条件を整理して読み解く問題」に時間を割くことができます。
また、回答欄が、桁ごとに点線で区切られており、何桁の解答になるのかは推測ができるようになっています。慶應中等部の独特な部分に手早く対応していくためにも過去問演習が重要になってくるものと思われます。