出題傾向
著者: doctor | 最終更新日: 2013-01-28 09:10:54
誰もが武蔵の算数を見れば不思議な感覚に襲われる、特徴的な問題用紙です。手書きのものをコピーした問題用紙はなんだか癒される風合い・・・。しかし、中身はゴリゴリの男子算数、由緒正しい御三家の一角、武蔵の算数を解説していきましょう。
解答用紙は問題用紙とセットになっていて、というか、問題分以外の空欄・スペースに直接、途中式や回答を書き込んでいくスタイルが武蔵伝統の形式なのです。
問題数も伝統を固持しており、平成18年までは大問4題、平成19年以降は小問集合をいれたり、少し変化はあるものの、事務処理スピードよりもオーソドックスな理解力・思考力にフォーカスした設問形式です。
以下に、出題範囲の分析を行いましたが、出題内容についても奇をてらうことはあまりなく、①和と差、②比と割合、③速さ、④図形、⑤場合の数、⑥数の性質でほぼ決まりです。
個性的な記述形式も、「オーソドックスな能力を知りたい」という武蔵の思想を反映してのことかもしれません。問題文の下に空欄があれば、思考回路や推敲の跡が確認できますからね。
その記述形式ですが、他校と比べて解答スペース(問題文を除いたスペース全部)がものすごく広いので、何を書いていいかわからないし、逆にいえば何でも書けちゃう、このあたりをどう処理していくかが、実質的な武蔵対策と言えるでしょう。
記述スペースに限りがあれば、「この問題で書いていいのは、この式だけだな」と、おのずと候補の式がしぼれるというもの、武蔵ではそのような「要領のいい」発想は通用しないでしょう。学風も御三家の中でも一際アカデミックで、「ほんとは勉強できないんだけどとにかくがんばる」とかでは通用しない雰囲気。昔から継続的に優秀な卒業生を輩出する理由がわかる気がします。
試験内容も、どちらかというと発想力・思考力重視のじっくりと解く問題が多いように思います。事務処理能力を問う学校や、数学をブレイクダウンして難問を作る学校とは違い「で、算数はできるの?」と根本的な問いを投げかけるような設問です。
このような設問は知識や解法でクリアできるものではなく、ある程度「論理的思考そのもの」を訓練しないといけないでしょう。