中学受験で成功する「黄金法則」とは

5年生のうちは、通っていらっしゃる塾の上位コースに所属することを目標に各単元をきっちりと学習していただければ大丈夫です。このときに既にやり終わった一か月前、二か月前の内容の確認をサボラズに、範囲フリーの試験に対応する土台を作っておきましょう。

武蔵に限らず一定以上の偏差値の学校を受験するためには、5年のときにある程度「算数のできる子」になっておく必要があります。四科のうちでもっとも点数のばらつきが顕著なのが算数だからです。

武蔵の算数で非常に重要な「比」の単元以外は相対的に重要度が落ちますから可能ならば「比」の範囲をさきにやってしまうということも考えてみて良いでしょう。

それ以外の部分については、5年生の間は「基礎力を確実につけていく」「受験本番レベルに耐えうる計算力を訓練する」というのは、志望校を問わず共通したテーマだと思います。

6年生の前半になると、そろそろ上位コース・中堅コースによって扱う問題に差が出ますから、そろそろ上位コースに入っておきたいところです。というよりも、5年生での土台作りがしっかりできていればSAPIX以外の塾においては最上位コースにおそらくは入れていることでしょう。

SAPIXにおいても、副教材で予習シリーズを回すなど、トータルの知識の確認は6年前半までに終わらせておきたいところ。

武蔵の算数は思考力と「比」が最重要課題ですから、各塾のテキストに収録されている思考力問題を利用するか、シグマベストの『思考力で勝つ算数』(文英堂)を利用すると良いでしょう。後者は1週間に1テーマずつこなせば、全24テーマを夏休み前に一通り終えることができます。

また、武蔵頻出の「速さと比」「平面図形と比」「相当算」については、初出単元として学習した週に限らず、その後も継続して問題演習を行います。

この時期の模擬試験については結果的に出た偏差値や合格可能性よりも「それは武蔵に出る問題か」「武蔵っぽい問題ができていたか」の方が重要です。欲しいのはA判定ではなく合格ですから。受けた模擬試験の中でも「本文の読み取りがキーになる問題」「典型的なパターン問題ではない問題」に着目して復習しましょう。

夏休みにおいては、まずは志望校ごとの対策よりも、一通り終わった入試範囲の総ざらいです。これをスピーディーに終わらせないと、過去問などをやっても、現実的な点数がなかなか出てこないですからね。

目安としては、四谷大塚の『四科のまとめ』程度の質・ボリュームのもので良いと思います。『四科のまとめ』であれば右ページだけ50単元を2周し、1周目でできなかったところを2周目でじっくり確認しましょう。

復習がスムーズに済んでいる生徒は、過去問を意識しつつ、特に重要な「速さと比」「平面図形と比」にフォーカスして問題演習をやりこみます。武蔵は比較的簡単な「取りどころ」となるこの2分野を落とすと、「ほぼ受からない」状況になってしまいます。

最後に6年生の秋以降の学習になりますが、武蔵において最重要なのは1にも2にも過去問演習です。他校においても過去問演習は重要ですが、武蔵ほどの個性を持つ学校は稀有ですから、他校が10年分の過去問演習を必要とするなら、武蔵対策では15年分は解いておきたいところです。各塾の武蔵対策も、基本的には過去問の解釈を経て作問しているはずなので、とにもかくにも、この過去問の仕上げが重要になります。

過去問演習の中で出てきた課題にはしっかりと向き合い、解決していく必要があります。

武蔵対策は、特に答案添削を1対1でケアする必要性が高いため、集団塾では補いきれない場面が多いと思います。そういうときは、ぜひ我々を頼ってきてください!