出題傾向
著者: doctor | 最終更新日: 2013-01-06 05:56:36
例年大問が3~4題、総設問数が20~30問程度出題されます。歴史、地理、公民が独立して出題されることもありますし、融合問題として出題されることもあり、出題形式は年によってかなり変動しますが、地理、歴史、公民のそれぞれの分野からまんべんなく出題されます。時事問題は公民との絡みで出題される傾向があります。
制限時間40分で、総設問数20~30問を解くわけですから一見すると時間の余裕があるように思えますが、大問のリード文(導入文)はかなり長く、記号問題の選択肢も長く紛らわしいものがあるため漫然と解いていたら時間が足らなくなってしまいます。長い文章を速読するスキルを身につける必要があります。また、問題を解いて行く際には常に時間配分にも注意しなければなりません。
筑駒の社会の出題形式はほとんど客観形式(空欄記入、記号問題)です。記述問題は出題されても比較的短いものしか出ません。記述問題がまったく出題されない年もあります。
記号問題としては正誤選択の問題が中心です。正誤問題には、①正しいものを一つ選ばせる②正しくないものを一つ選ばせる③正しいものを二つ選ばせる④正しくないものを二つ選ばせる⑤正しいものをすべて選ばせる⑥正しくないものをすべて選ばせる などのパターンがあります。
①正しいものを一つ選ばせるタイプ
国連は、「子どもの権利条約」を採択し、加盟国に子どもが自由で平等に生活できるようにすることを求めている。「子どもの権利条約」を採択した国連の期間を、つぎのアからオまでの中から一つ選び、その記号を書きなさい。
- ア 総会
- イ ユネスコ
- ウ ユニセフ
- エ 世界保健機関(WHO)
- オ 安全保障理事会
(平成20年度)
正解はア。
②正しくないものを一つ選ばせるタイプ
アイヌに関連して述べたアからオまでの文の中から正しくないものを一つ選び、その記号を書きなさい。
- ア 江戸時代、アイヌが日本人(和人)にたいして反乱を起こしたことがある。
- イ 江戸時代、アイヌと日本人との交易が松前藩を中心として行われていた。
- ウ 明治時代になると、屯田兵が北海道に送り込まれ、アイヌの暮らす土地がうばわれていった。
- エ 明治政府がアイヌにたいして日本語の教育を進め、今では、アイヌ語はほとんど使われていない。
- オ アイヌの人口はしだいに減少して、今ではアイヌは北海道でしか生活していない。
(平成24年度)
正解はオ。
③正しいものを二つ選ばせる
江戸時代の町や村に関連してのべた文として正しいものを、つぎのアからオまでの中から二つ選び、その記号を書きなさい。
- ア 農村は名主などの有力者を中心に共同で運営され、幕府や藩はこの村のまとまりを利用して農民をおさめた。
- イ 農民たちは、くらしを守るために、年貢の引き下げなどを求めて百姓一揆をおこすことがあった。
- ウ 厳しい身分統制によって、町人は町を農民は農村を離れることは許されず、庶民は旅をすることも許されなかった。
- エ 幕府が鎖国政策を取っているので、町人や農民が朝鮮通信使とふれあうことはなかった。
- オ 大名行列のようすを描いた「東海道五十三次」は、江戸の町人の人気をよび、多くの人に買い求められた。
(平成22年度)
正解はア、イ
④正しくないものを二つ選ばせる
三内丸山遺跡に関連してのべた文として正しくないものを、つぎのアからオまでの中から二つ選び、その記号を書きなさい。
- ア 直径約1m、深さ約2m、4.2mの間隔で並んでいる穴は、物見やぐらの柱が立っていた跡と考えられる。
- イ 長さ約32m、幅約10mにわたって地面が掘られているのは、稲作用のため池の跡と考えられる。
- ウ 道路跡にそって並ぶ穴からは銅鐸が見つかっており、収獲を祈るまつりがおこなわれていたと考えられる。
- エ 出土したヒスイの玉や黒曜石から、遠くはなれた地と交易をしていたと考えられる。
- オ 出土したクリの遺伝子を調べた結果から、栽培が始まっていたと考えられる。
(平成24年度)
正解はイ、ウ。
⑤正しいものをすべて選ばせる
仏教に関連してのべた文として正しいものを、つぎのアからオまでの中からすべて選び、その記号を書きなさい。
- ア 仏教は朝鮮半島からの渡来人によって伝えられた。
- イ 聖徳太子は蘇我氏と協力しながら、仏教の教えを重んじた政治を進めた。
- ウ 聖武天皇は各地に国分寺を建てたが、陸奥国には建てなかった。
- エ 行基は橋やため池をつくりながら仏教の教えを広めた。
- オ 鎌倉時代の仏教は、分かりやすい教えによって農民の間にも広まっていった。
(平成24年度)
正解はア、イ、エ、オ
⑥正しくないものをすべて選ばせる
高度経済成長期の東北地方に関連してのべた文として正しくないものを、つぎのアからエまでの中からすべて選び、その記号を書きなさい。
- ア 中学校卒業後に東北地方などから都市部に集団就職した若者たちは、「金の卵」ともてはやされた。
- イ 首都圏と東北地方を結ぶ交通網の整備が進み、東北自動車道や東北新幹線が開通した。
- ウ 八郎潟の干拓によって大潟村が誕生し、近代農業のモデルとして機械化農業が進められた。
- エ 青森県六ケ所村に核廃棄物再処理工場が建設された。
(平成24年度)
正解はイ、エ
分析表(経年)
過去11年間の入試問題分析(分野)
平成24年度(2012) | 1 アイヌ語の地名を題材とした地理と歴史の融合問題 2 東北地方の歴史を題材とした問題 3 東日本大震災を題材とした問題 |
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平成23年度(2011) | 1 7つの都道府県の地理を中心とした問題 2 各時代の歴史的なことがらについての問題 3 世界経済を題材にした問題 |
平成22年度(2010) | 1 日本の自動車工業の発展を題材とした問題 2 国民の祝日を題材とした歴史の問題 3 2009年の政治的なできごとを中心とした問題 |
平成21年度(2009) | 1 地形図の読み取りを中心とした地理の問題 2 前橋の歴史と萩原朔太郎の一生を題材とした歴史の問題 3 第二次世界大戦後の日本の経済と社会についての問題 |
平成20年度(2008) | 1 東海道・山陽新幹線を題材とした地理の問題 2 人口の移り変わりを題材とした歴史の問題 3 国民投票法を題材とした日本の政治についての問題 4 現代の国際社会についての問題 |
平成19年度(2007) | 1 食料生産を中心とした地理の問題 2 各時代の歴史的なことがらについての問題 3 現代日本の社会についての総合問題 |
平成18年度(2006) | 1 戦後の日本の政治・外交・社会についての問題 2 京都を題材とした歴史と地理の問題 3 各時代の文化についての問題 4 明治時代の政治と社会についての問題 |
平成17年度(2005) | 1 地図と統計資料を用いた地理の総合問題 2 日本と国際社会のかかわりを中心とした問題 3 「東京を築いた人々」を題材にした歴史の問題 |
平成16年度(2004) | 1 地球環境など人類の課題についての問題 2 地域や外国とのかかわりを題材とした歴史の問題 3 江戸時代のできごとについての問題 4 第二次世界大戦と日本国憲法についての問題 5 現代の国際社会についての問題 |
平成15年度(2003) | 1 情報の伝達を題材にした総合問題 2 歴史の舞台になった都市や町を題材とした歴史の問題 3 日本と中国の関係を中心とした総合問題 |
平成14年度(2002) | 1 愛知県を中心とした地理の総合問題 2 肖像画を題材とした歴史の総合問題 3 予算を中心とした公民の総合問題 |