中学受験で成功する「黄金法則」とは

駒場東邦の入試は、「新御三家」と称されるようになったくらい、全国でも屈指の難関です。 しかし国語に関して言えば、論理的な思考がしっかりできるようになっていれば、決して難しくはありません。 その意味では御三家よりは手をつけやすい試験と言えます。

私の教え子の、2010年度の卒業生を例にしましょう。

彼は6年生の秋に至るまで偏差値40程度でしたが、それでも駒場東邦に受かることができました。 もともと努力はもちろん絶やさない子でしたが、苦手な国語だけはどうにも成績が上がりませんでした。

そのため、2学期に入る頃、お母様から相談を受けました。

不振の原因を指摘、助言させていただき、「ご本人に自覚を持たせることが最も大事です」として、本人を呼んで来てもらいました。 そして叱咤激励し、次のようなことを話しました。

  • 成績を上げたいという強い意志を持つこと。
  • 入試問題を集めて特別の課題を作ってあげるから、毎週欠かさずこなすこと。
  • その進捗を自ら報告しに来ること。
  • 授業中もしっかり自分で考えて発言すること。
  • 復習するときは、いつも言われているように、必ず考えた根拠を書くこと。
  • 文の構造を意識しながら改めて書き直すこと。
  • 誤りを正すのが勉強なのだから、間違いを恥じることなく、それを隠そうとするのを恥じること。

さらに、次の2点を徹底してもらいました。 論理的な考察力を鍛え、真の理解へ導くため。加えて普遍的な解法をマスターするためです。

  • 授業の復習において、解答への道程を自分の言葉で書き残す。
  • 文章の分野別の読み方、設問のタイプごとの解き方を習得する。

その後も様々ないきさつがありましたが、大まかに言えばそのように指導しました。 すると彼は授業にも宿題にも別人のように真剣に取り組むようになり、SAPIXオープン第2回においては、偏差値60を超えていました。

結果、合格を成し遂げてくれました。

当初は私も正直なところ驚いたのですが、今思えば、正しい学習法を本気でやれば、国語力は伸ばせるものなのです。

ここでお伝えしたことをしっかり念頭において、今すぐ対策を始めましょう。「善は急げ」です。 みなさん全員の朗報を、心から期待しています。

最後に、私が今年の受験生に送ったエールを。

「努力が必ず報われるわけではない。
でも、努力なしに勝利は得られない。
受験とはそういうものです。
だから今、苦しみながらも頑張るあなたたちは皆、勝者になれます。
最後まで己を信じ、頑張れ!」