プロから一言
麻布中入試対策・国語担当講師から麻布中学入学を目指す皆さんへ
著者: 麻生 正隆(ペンネーム) | 最終更新日: 2013-01-16 03:26:27
自由で自立した校風が有名な麻布中学。 著者も麻布中学・高校出身であり、まさにその自由を享受した6年間をすごしてきた。
そこでは、なにもかもが自由。
中学入学早々から(すでに合格が決まった時点から)東大や医学部を目指して勉強する生徒。 「ようやく受験勉強が終わった」と勉強そっちのけでスポーツや音楽、歴史、鉄道、漫画、アニメ、コンピューター、読書に没頭する生徒。 中には将来自分が進みたい分野に関して大学をはるかに超えるレベルで研究をしている生徒さえいた。
6年間を好きなように使えるのである。
校則もない。
髪型も服装も自由自在。
不文律として「麻雀は禁止」「下駄をはいて登校してはいけない」「学食のカレーを教室で食してはいけない(筆者はこの不文律が出来上がった感動的瞬間に遭遇した。今でも残っているのだろうか。)」などなどがあるがそれも強制力のあるものではない。
「他人に迷惑をかけない」「法律を破らない」という最低限度の規範さえ守ればあとは何をしても自由なのだ。学校全体でそのような雰囲気があり、遊び呆けていても、自らの趣味に没頭していても学校や友達からは何の文句も言われない。(保護者は別であるが。)
「成績が悪いから」「運動が苦手だから」「オタク趣味だから」などといった理由でいじめられることもない。
「自分は自分」「他人は他人」という意識が明確にあり、自己と他者が違うというだけで他者あるいは自己を否定するという風潮がないのである。
しかし、この「自由」に注意してほしい。
麻布では成績がどんなに低くても学校にはあまり厳しく言われない。
授業のレベルは極めて高く(大学レベルに近い授業もあった。範囲が決まっている定期試験にもかかわらず、麻布生が100点満点で平均50点も取れないというすさまじい試験を受けた記憶がある。)ついていけさえすればどこの大学のどこの学部にでも進学できるだけの授業が展開されている。
だが、「ついていけない」、あるいは「ついていく気がない」場合は手厚いフォローがある訳ではないことを敢えて言っておく。
また、仕事をしているわけでもないので、「自由と責任は裏返しだ。だから責任をとれ」と言われる機会も実は少ない。少なくとも「他者に対する責任」という点では学生・未成年という立場上限界がある。ただし「自己に対する責任」は自ら独りで背おわなければならないのである。
要するに、麻布の自由は「なんでも出来る自由」ではあるが、裏を返せばサポート無しの「とことん駄目になっていく自由」でもある。これこそ本当の「自由」であるのだが。
学校全体として、他者の個性を尊重することの裏がえしとして、自分から働きかけない限り誰も助けてくれないという面が強い。
法律学を学べば初歩の段階でわかることではあるが本当の「自由」は「放っておかれる自由」でありそれはときに「孤独」ともいえる存在である。
麻布中学を志望する受験生は麻布の「自由」は「孤独」や「自己への責任」というバックグラウンドがあってはじめて謳歌できるものだと肝に銘じて受験して欲しい。
それさえ心に留めておけば、麻布中学合格後は他の学校では絶対に体験することが出来ない、濃密で充実した、一生誇りにできるような6年間を手に入れることができることをお約束する。
麻布中にぜひとも合格をしたいと考えている生徒・保護者の方々にこの「麻布中クリニック」が、少しでもお役に立てることを願っています。
毎日毎日頑張っている受験生!
合格後は泳ぎきれないくらい大きな大きな海が君たちを待っています。
どこまでででも泳いでいける。
だからこそ、今頑張って勉強して合格に近づいていこう!