学年別対策
著者: 麻生 正隆(ペンネーム) | 最終更新日: 2013-01-16 03:26:37
1 5年生の学習法
①語彙力
どの学校を受験する場合にも言えることだが、5年生のうちに語彙力をつけておくことが、国語力のベースになる。
語彙力だけで読解力といえるわけではないが、逆に言うと語彙力なしの読解力は有り得ない。英語で言えば「英単語」をたくさん知っていればそれだけ文章を読みやすくなる道理である。
具体的には、「言葉力1200」や「言葉力ドリル」、「難語2000」その他の教材に掲載されている言葉を1つ1つ類義語や派生語、対義語や関連する語句、用法(誤った用法の例まで)などに注意しながら、関連する言葉を書き込むことで「立体的」かつ「関連づけて」語彙力を増やしていくことが大切だ。
「たかが言葉の意味なのだから自己学習・家庭学習でなんとかなる」と思われがちだが、実際の入試の出題に即した、受験生の頭に残りやすい「使える」語彙力の強化はプロの講師の腕のみせどころの1つといえる部分でもある。
また、文章をよんでいて、わからないあるいは腑に落ちない言葉・表現があったら、すぐに辞書で調べる癖をつけよう。どの科目の勉強でも大切なことだが、疑問点は面倒くさがらずその都度、解決していかなければ少しずつたまっていってしまい、6年生になってから「成績の伸び悩み」という形で自らの首をしめることになる。
②文字数
麻布中学では毎年のように6000字を超える物語分が出題されている。 しかも人間関係・哲学的観点からの考察が必須となるような文章・出題ばかりである。 5年生からこの傾向を意識して、少しずつでかまわないので教材のなかでも長い文章を読んでいく訓練を積んでいこう。
麻布中学で出題される文章は文章自体は読みやすいものが多いので、はじめはあまり難易度が高くない文章からで大丈夫だ。
③記述問題に慣れていく
麻布中学は設問全体に占める記述問題の割合が非常に高い学校なので(ほぼ全て記述とも言える)5年生のころから記述に慣れ親しんでいこう。
気をつけるべき点は以下の点だ。
- ア)常に文末に注意を払うこと
- イ)対比する記述の書き方
- ウ)理由の記述
- エ)心情の記述
- オ)要旨・まとめの記述
具体的にこれらの点についてどう気をつけたらよいのかについては『対策』の項に詳述してあるので参照していただきたい。
2 6年生の学習法
①文学的・哲学的文章
麻布中学では6000字から8000字程度の文学的・哲学的文章が非常によく出題される。6年生になって、語彙力もある程度ついてきた段階で、長めの文学的・哲学的文章を読みこんでいき、徐々に慣れていこう。麻布中学の入試問題にチャレンジするのもちろん良いが、他の学校の入試問題を類題として解いたり、様々な教材を読み、解いていくことで、文学的・哲学的文章を読み解いていくための多角的な視点を得ることが出来るはずだ。
②類題
麻布中学の入試問題と類似点がある学校をいくつか挙げていくなら以下の学校であろう。
筑波大附属駒場中学校、武蔵中学校、渋谷教育学園渋谷中学校、駒場東邦中学校、海城中学校、攻玉社中学校などである。
また、近年人気が出てきている公立中高一貫校の文章・設問も麻布中学と類似点があり思考力を必要とするものもあるので参照してみよう。
③教材
市販の教材で麻布中学対策として有用なものをいくつかピックアップしてみた。
- 「記述完成Ⅱ」「記述完成Ⅲの入試実戦問題の部分」(四進ジュニア)
- 「読解の応用」「読解の完成」(啓明社)
- 「中学受験必ず出てくる国語のテーマ」(ダイヤモンド社)
- 「塾で教える国語・実戦問題集 文学的文章」(旺文社)
- 「国語の要」の文章読解編(サピックス)
④学校別模試
各塾とも、6年の後期になると学校別の模試が開催される。麻布中は特に学校別で各塾が知恵を絞った設問が用意されているので、積極的に利用していこう。
以下が主な模試。
- サピックス 学校別サピックスオープン
- 四谷大塚 学校別判定テスト
- 早稲田アカデミー NN学校別