上手な塾の使い方・四谷大塚
著者: 麻生 正隆(ペンネーム) | 最終更新日: 2013-01-16 03:26:31
四谷大塚・早稲田アカデミー生の学習法について、以下の5点から説明しよう。
- 教材の活用法について
- 四谷大塚生 週例テストについて
- 四谷大塚生 学校別対策指導 特別コースについて
- 早稲田アカデミー生 YT 土曜集中特訓 日曜日特訓 NN志望校別特訓について
- 他塾主催の麻布対策の模試の受講について
1 教材の活用法について
四谷大塚の「予習シリーズ」は1回分の範囲が文章問題では「基本問題」と「発展問題」にレベル分けされ、 語句の問題は詳細な説明や図表がついているうえに副教材である「演習問題集」や「実力完成問題集」は「基本編」と 「通常のレベルのもの」にレベル分けされているので、非常に扱いやすくレベルや分量の調整をしやすいテキストである。
また、「漢字の学習」「ことばの練習帳」は「予習シリーズ」とリンクして漢字の基礎力と語彙力を網羅的に強化してくれるため、 すべてこなすことができれば中学入試に対して、一般的には充分なことばの力が身につくはずである。
予習シリーズの「基本問題」や「演習問題集(基本編)」「実力完成問題集(基本編)」では、正直、麻布中学の入試のレベルには到底足りない。 麻布中学合格を目指すのであれば、「発展問題」や「演習問題集」「実力完成問題集」をどんどん解いていく必要がある。
だが、これだけでは麻布中学合格にはまだまだ足りない。
「予習シリーズ」や「演習問題集」は非常にバランスが取れている優れた教材だが、麻布中学の記述問題の数・分量と比べると圧倒的に足りないからである。
そこで、麻布中学に合格するためには、記述力の強化のためにさらに教材を追加していく必要がある。 具体的には「記述完成Ⅱ」「塾で教える国語 文学的文章」啓明社の「読解の完成」「読解の応用」「サーパス」などの教材でじっくりと記述力をつけていくのがおすすめだ。
2 四谷大塚生 週例テストについて
毎週末にテストを受けることで、実戦感覚を鍛えることができる「週例テスト」だが、逆にデメリットもある。
6年生の夏以降の時期は過去問演習や自分の弱点強化など志望校対策に時間と集中力を使いたいもの。
しかし「週例テスト」と解説授業まで受けるとなると日曜日の大半を使うことになってしまう。 テストを受けた後は「解きなおし」が必須であるが、徐々に「解きなおし」が間に合わず、効果が薄くなってくることになりかねない。
6年生の後半からは思い切って「週例は受けない」という決断も必要になってくる。
3 四谷大塚生 学校別対策指導 特別コースについて
四谷大塚生で麻布中学を志望するのなら、学校別対策の特別コースは受講してしかるべきであろう。
なぜなら、麻布中学の国語は非常に特徴的であり、類似の他の中学の過去問を解いていくといっても類似の度合いには限界があるからである。
四谷大塚のカリキュラムとノウハウを信頼して通塾するのであれば、「四谷大塚が提示する麻布中学の傾向と対策」を実践している特別コースには参加するのが順当だ。
御三家クラスの特別コースはどこの大手塾も気合をいれてくるはずである。
4 早稲田アカデミー生 YT 土曜集中特訓 日曜日特訓 NN志望校別特訓について
土曜日の「YTテスト」と9月以降の「日曜日特訓」に関しては、上記2と同様の理由から受講を控えることも戦略として有効であろう。
「NN志望校別特訓」に関しては、時間が許すのであれば受講をおすすめする。
なぜならこの「NN志望校別特訓」は早稲田アカデミーの「売り」ともいえるものであり、質の良い教材・講師の授業を期待することができ、 また多くの他塾の受験生も受講する可能性があることから、「切磋琢磨すると」いう意味と「麻布中学を受験する他の受験生が知っているが自分が知らない知識や考え方をなるべくなくす」という意味からも 受講することに意義があるからだ。
だが、「NN志望校別特訓」には選抜テストがある。
ましてや麻布中学となればそう簡単に選抜に通るとは限らない。ある程度の対策は必要である。 その対策自体も麻布中学合格への対策にもなるからだ。
5 他塾主催の麻布対策の模試の受講について
四谷大塚生、早稲田アカデミー生は毎週「YTテスト」「組み分けテスト」「週例テスト」などでテストをたくさん受けているので、それ以上に他塾のテストを受ける必要はないと考えてしまいがちである。
だが、できれば「サピックス」が主催する「学校別サピックスオープン」のもちろん「麻布中学」を受講することをおすすめする。
なぜなら、「サピックス」は麻布中学合格の実績が高く、そもそも御三家合格をターゲットとしてきた塾であり、「学校別サピックスオープン」においても麻布中学を意識した質・量・受験者層ともにレベルの高い模試が受けられる可能性が高いからである。